COLUMN

AIでホームページ制作費はどこまで下がった?|安くなった部分と、変わらない部分

2026-08-17
AIでホームページ制作費はどこまで下がった?|安くなった部分と、変わらない部分

「AIでホームページが作れる時代だから、もっと安くなるはず」

最近よく言われます。半分は正しく、半分は誤解です。制作現場でAIを日常的に使い倒している立場から、何が本当に安くなって、何がまったく変わっていないのかを正直にお伝えします。

発注する側にとっては、「AIだから激安です」と言ってくる会社が信用できるかどうかを見分ける基準にもなります。

実際に下がったコスト

デザイン案を形にするまでの時間

これが最も大きく変わりました。以前は、トップページのデザイン案を1つ作るだけで数日かかりました。ラフを描き、素材を集め、配置し、調整する。人の手が全工程に必要だったからです。

いまは、業種・地域・強み・雰囲気の希望が分かれば、実際に見られる形のデザイン案を数日で用意できます。 ここが短縮された影響は非常に大きく、後述するように「契約前に実物を見せる」ことすら可能になりました。

コーディング(デザインをWebページにする工程)

デザインをブラウザで動く形にする作業も、大幅に速くなりました。以前は1ページあたり数時間から1日かかっていたものが、数分の1の時間で形になります。スマホ対応の調整も同様です。

原稿の下書き

文章のたたき台をAIが用意できるようになりました。ただし「たたき台まで」です。ここは次の項目に関わります。

まったく下がっていないコスト

ここが本題です。

誰に何を伝えるかを決める工程

AIは、あなたの事業を知りません。 どんなお客様に来てほしいのか、他店とどこが違うのか、何を一番に伝えるべきか。これは事業をやっている本人から引き出すしかなく、AIで代替できません。

そして、ホームページの成果を最も左右するのはこの工程です。ここを省いて見た目だけ整えたサイトは、きれいでも問い合わせが来ません。理由はホームページから問い合わせが来ない5つの原因で詳しく書いています。

ヒアリングと、言語化の手伝い

事業に詳しい人ほど、自分の強みを「当たり前のこと」だと思っています。毎日やっているから、価値だと気づいていない。それを会話の中から見つけて言葉にする作業は、人がやるしかありません。

AIが書いた原稿がそのまま使えないのは、この部分が抜けるからです。もっともらしいけれど、その会社である必然性がない文章になります。

写真の撮影

当然ですが、あなたのお店や現場の写真は、行って撮るしかありません。生成AIで作った画像は、実在しない店内を見せることになるので使えません。そして写真は成果への影響が非常に大きい要素です。

公開後の運用

アクセスを見て、どこで離脱しているかを調べ、改善する。この工程はAIで速くなる部分もありますが、判断そのものは人の仕事です。

だから「AIで激安」には注意してください

ここまでを整理すると、こうなります。

工程AIの効果
デザイン案の作成大きく短縮
コーディング大きく短縮
原稿の下書き短縮(仕上げは人)
設計・ヒアリング変わらない
撮影変わらない
公開後の運用ほぼ変わらない

つまり、AIで下がるのは「手を動かす部分」のコストだけです。成果を左右する部分のコストは下がっていません。

にもかかわらず極端に安い金額を提示する会社は、下がっていないはずの工程——設計とヒアリング——を省いている可能性があります。テンプレートに文字を流し込んだだけのサイトは、この省き方で作られます。安く作ること自体は悪くありませんが、無料で自作する場合の落とし穴と同じ問題が起きます。

下がった分を、どこに使うかが分かれ道

浮いたコストの使い道は、制作会社によって分かれます。

  • 価格を下げる:分かりやすいが、設計まで削ると成果が出ない
  • 本数を増やす:数をこなす方向。1件あたりの関与は薄くなる
  • 設計とヒアリングに回す:見た目より中身に時間を使う
  • 契約前に実物を見せる:判断材料を先に渡す

弊社は最後の2つを選びました。デザイン案を短時間で作れるようになったのなら、その分を「契約前にお見せする」ことに使うのが、発注する側にとって一番価値があると考えたからです。

ホームページは長らく、完成するまで見た目が分からない買い物でした。AIによって、その前提を変えられるようになったというのが、現場での実感です。

発注する側が確認するとよいこと

「AIを活用しています」と言われたら、次を聞いてみてください。

  1. AIをどの工程に使っていますか(設計まで任せていないか)
  2. 原稿は誰が最終的に書きますか
  3. ヒアリングにどれくらい時間を取りますか
  4. 契約前に、うちのデザイン案を見られますか

4番に「はい」と答えられる会社であれば、AI活用の効果を発注側に還元していると判断できます。

まとめ

  • AIで下がったのは、手を動かす工程のコスト
  • 下がっていないのは、設計・ヒアリング・撮影・運用
  • 極端に安い提示は、下がっていない工程を省いている可能性がある
  • 浮いたコストを何に使っているかが、制作会社の姿勢を表す

費用の見方全般についてはホームページ制作の見積もり、どこを見ればいい?もあわせてご覧ください。


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関連記事:中小企業のAI活用は何から始める?

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